将来の安定を目指す薬剤師のあなたへ。
薬局業界の変動や年金不安に備え、若いうちからの資産形成が重要視されています。
特に、安定した職業である薬剤師こそ「投資」という選択肢を早くから取り入れる価値があります。
この記事では、なぜ20~30代の薬剤師が新NISAを活用して投資を始めるべきなのか、その理由と制度の最新データをもとに詳しく解説します。
ちなみに私自身は、投資に踏み出すきっかけは両学長の著書『お金の大学』でした。
「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」の5つの力を図解と実例で学べるこの本は、まさに金融初心者にぴったりの入門書です。
ぜひ、こちらの本も参考にしてください。
また、簿記の学習をすると投資についてより深く理解することができます。こちらの記事もご覧ください。

薬剤師こそ“投資”が必要な理由
職種別・年代別 年収比較データ
以下の表は、薬剤師と他職種の年収を年代別に比較したものです。
年代 | 薬剤師 | 看護師 | ITエンジニア | 会社員平均 |
---|---|---|---|---|
20代前半 | 約400万円 | 約330万円 | 約360万円 | 約310万円 |
20代後半 | 約470万円 | 約370万円 | 約400万円 | 約350万円 |
30代前半 | 約550万円 | 約420万円 | 約500万円 | 約420万円 |
30代後半 | 約570万円 | 約440万円 | 約600万円 | 約460万円 |
40代前半 | 約580万円 | 約460万円 | 約700万円 | 約500万円 |
40代後半 | 約590万円 | 約470万円 | 約750万円 | 約520万円 |
※出典:doda、厚労省賃金構造基本統計調査(2024年推計)
このように、薬剤師は若い年代から安定して高めの年収を得られる傾向がありますが、30代以降になると他職種、特にITエンジニアやベンチャー企業勤務者などに年収で逆転されるケースも少なくありません。
昇給の天井が見えやすい薬剤師にとって、給与以外の収入源を育てることが将来の差につながるのです。
だからこそ、若いうちの“高年収×余剰資金”をいかに活用できるかが、将来の資産形成に直結するのです。
薬剤師のやりがいに関する記事はこちらをご覧ください。

安定した収入がリスク管理をしやすい
薬剤師という職業は、他の職種と比べても収入が安定しているため、投資に対する精神的・実務的ハードルが低い傾向にあります。
さらに重要なのは、薬剤師の年収の「傾向」です。
20〜30代で比較的高い水準(年収400〜600万円台)を得られる一方で、年齢とともに劇的に年収が上がりづらいという側面もあります。
管理職や経営者以外では、大きな収入アップが見込めるチャンスは限られています。
そのため、若いうちに高めの年収から余剰資金を投資に回し、将来の伸び悩みに備えて“収入の柱を増やす”戦略が重要になります。
日々の生活費を確保しながら、余剰資金を投資に回すことで、無理のない運用が可能です。
若いうちからの複利効果が将来に大きな差を生む
薬剤師は20代から比較的高めの年収を得られる数少ない職種です。
初任給でも年収400万円〜500万円台が一般的であり、他業種の同年代よりも経済的な余裕がある分、早期から投資に取り組む環境が整っています。
この“若いうちの高年収”を、貯金だけでなく資産形成にも活かすことが、将来の安心につながります。
20〜30代で投資をスタートすると、複利の効果を最大限活かせます。
毎月1万円を年利5%で30年運用すれば、元本360万円に対して約830万円にも増える計算です。
この“時間を味方につける”ことが、資産形成において最も強力な武器です。
複利の簡単な説明、シュミレーションはこちらをご覧ください。

給与以外の収入源を持つことで安心感が増す
本業に加えて投資収入があることで、ライフイベントや将来の不測の事態にも柔軟に対応できる経済的な余裕が生まれます。
薬機法の関係などで副業が制限される企業はまだまだ多い状況です。
投資は実質的な「もう一つの収入源」として有効です。
新NISA最新データで見る活用状況
新NISAの口座開設状況|若年層は着実に浸透中
金融庁が2025年5月に公表した資料によると、新NISAの口座開設者数は全体で約1,398万人。
そのうち20代は約192万人(利用率約24.9%)、30代は約289万人(利用率約32.6%)で、若年層の利用者も一定数にのぼります。
特に20代では「つみたて投資枠のみ利用」が約69.4%と、長期・積立・分散を意識した運用傾向が見られます。
また、20代・30代ともに「つみたて投資枠+成長投資枠を併用」する割合も増加しており、制度の柔軟な活用が進んでいることがわかります。
このことからも、若手層が新NISAを単なる節税手段としてではなく、本格的な資産形成ツールとして取り入れている様子がうかがえます。
若年層が新NISAに注目する理由
- 少額から始められる:月1万円〜でも運用可能
- スマホ完結で管理が簡単:ネット証券の普及により操作性も向上
- 制度の非課税メリットが明確:税金を抑えながら増やせる仕組み
特に、将来の社会保障不安や年金への不透明感が背景にある中で、「自分で資産を育てる」という意識の芽生えが、若い世代に広がっていることが、新NISAの広がりにもつながっているといえます。
薬剤師向けおすすめ投資メニュー
新NISA(つみたて枠+成長投資枠)
2024年から制度が刷新された新NISAでは、年間最大360万円まで非課税で投資可能となり、非課税期間も無期限となりました。特に“つみたて枠”は金融庁が認定した低コストで長期運用向けの投資信託が中心で、初心者にも安心です。
実際に、つみたてNISAを5年以上継続した人の約81%が利益を出しているというデータもあり、安定志向の薬剤師に最適な選択肢といえるでしょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛金が全額所得控除となるiDeCoは、節税効果が非常に高い制度です。
公的年金だけでは将来が不安という声が多い中、自ら老後資金を準備する手段として注目されています。
運用益も非課税のため、長期保有することで大きなメリットを受けることできます。
ただし、職場への手続きや出口戦略も難しいため、しっかりと調べてから挑戦するべきです。
高配当株・ETF
高配当株やETFに投資することで、配当金という形で“ほぼ不労”の収入を得ることが可能です。
特に、国内外の優良銘柄に分散投資することで、リスクを抑えながら収益を狙う戦略が立てられます。
ただし、税制や為替変動リスクの理解も必要です。
薬剤師にぴったりな“ふるさと納税”も併用しよう
実質2,000円で豪華な返礼品が受け取れる
ふるさと納税は、年間の所得に応じた控除上限内であれば自己負担2,000円のみで全国の自治体から返礼品がもらえる制度です。
年収が高い薬剤師の場合、控除上限額も高く設定されるため、より多くの自治体に寄付が可能です。
食費・生活費の節約にもつながる
返礼品には、米・肉・海産物・日用品など、日々の生活で必要なものが多く含まれており、家計の負担軽減にも貢献します。
節税しながら生活費も節約できるため、投資資金に余裕を持たせる戦略としても有効です。
若手薬剤師が投資で失敗しないための心得
投資はギャンブルではなく「戦略」
SNSなどでは短期間での大きな利益をうたう投資法が注目されがちですが、本来の投資は「長期・分散・積立」が基本です。
ギャンブル的な投資行動を避け、戦略的に資産を増やす意識が大切です。
情報商材や詐欺に注意
「絶対儲かる」「この通りに買えばOK」といった情報には要注意。
とくにInstagramやYouTubeで派手に宣伝されている“情報商材”には、信頼性の低いものも多く含まれます。
公的機関や信頼できる金融機関の情報を軸に判断しましょう。
家計の余剰資金からスタート
投資は生活に支障のない範囲で始めることが鉄則です。
いきなり投資に踏み出すのが不安な方は、まずは家計の見直しから始めるのも良い選択です。
毎月の収支を把握し、どれくらいの余剰資金があるかを把握することで、自然と投資への準備が整っていきます。
たとえば、固定費の見直しやサブスクの整理、食費の最適化など、家計管理を通じて「投資の原資」を生み出す意識を持つことが第一歩です。資産運用は、節約や貯金と同じように“生活の延長線上”にある行動なのです。
おすすめなのが、家計簿アプリ「マネーフォワードME」。
銀行口座・クレジットカード・証券口座などを連携することで、自動で収支を可視化でき、手間なくお金の流れを把握できます。いきなり投資に踏み出すのが不安な方は、まずは家計の見直しから始めるのも良い選択です。
毎月の固定費・生活費を把握し、余剰資金で運用を行いましょう。
まずは「生活防衛資金(6ヶ月分の生活費)」を確保することが、安心して投資を継続するコツです。
筆者のリアル投資成績を公開
筆者が約3年間かけて積み立てた資産は、現在1,600万円超。評価益は**+26.65%(約340万円)**と、インデックス中心の堅実な投資でもしっかりと成果を出すことができています。

ポートフォリオの内訳は以下の通りです
- 国内株式:55%
- 投資信託(主にインデックスファンド):18%
- 米国株式:16%
- その他(預金・現金):約10%
ここで強調したいのは、「少額から」「時間を味方に」「分散する」の3つを守ることで、投資はコツコツでも着実に育てられるということです。
⚠ 注意点:この記事で紹介している投資成績は、筆者個人の一例であり、元本や投資期間、タイミングによって結果は異なります。また、現在の資産規模は継続的な積立と再投資によるもので、最初は月1万円からコツコツ始めたことを補足しておきます。
投資を始める4ステップ
手数料が安くアプリも使いやすい証券会社を選びましょう。
使いやすい証券サイトは圧倒的に
「楽天証券」「SBI証券」のどちらかです。
普段使用しているクレジットカードや銀行との相性などで決めるといいです。
\楽天市場でよく買い物する人はこちら/
\人気の三井住友NLカード使用している人はこちら/
「つみたて枠」で安定した運用を、「成長投資枠」でリスクを取りつつ収益性を狙うのが基本戦略です。
忙しい薬剤師には「自動引き落とし設定」での積立がおすすめ。投資を習慣化できます。
本やYouTubeなどで定期的に情報収集を。
私自身は、YouTubeチャンネル「リベラルアーツ大学」で知られる両学長の書籍を読み、マネーリテラシーや投資の基本を学びました。
難しい専門用語を使わず、図解や具体例を通して「お金の考え方」が自然と身につく内容になっていて、初心者にも非常におすすめです。
若手薬剤師からの質問Q&A
- 20代でも投資って早すぎませんか?
-
いいえ。複利の効果を最大化するには「早ければ早いほど有利」です。
- 月いくらから始めればいいですか?
-
目安として1万円程度からのスタートがおすすめです。
新NISAでは年間最大360万円まで非課税枠が用意されていますが、まずは無理のない額から継続することが大切です。1万円も投資するのが怖い人にはもっと少ない金額からお試しで挑戦してみるのも一つの手段です。
- リスクはどう管理すれば?
-
「つみたて枠中心」で投資信託を活用しつつ、マネーフォワードMEなどで資産の可視化・管理を行うのが効果的です。
まとめ
- 若いうちに制度を理解し、複利を味方にしよう
- 薬剤師という安定収入がある今こそ、資産運用にチャレンジするチャンス
- 新NISA・iDeCo・ふるさと納税を活用して、“未来の安心”を自分で作っていく時代へ
今日この瞬間から、あなたの投資ライフはスタートできます。
「資産形成は遠い話」と思わず、まずは一歩を踏み出してみませんか?
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